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古くから疫病と戦ってきた歴史と祈り

新型コロナウィルスの感染者が日本でも全国的に増えてきており、10月19日には東京都ほか県でも過去最高の感染者数がでるようになってきました。

ワクチンの開発にはまだまだ時間が必要で、人と人の間を取り合うソーシャルディスタンスは必要です。

昔の方は、新型コロナウイルスのような感染症や集団発生する伝染病や流行を疫病と呼んできました。

この疫病との戦いは古く、防災情報新聞によると679年11月(天武8年10月)に天武天皇、老いた僧尼が利用できる療養所の開設を指示したことにはじまり、735年6月22日(天平7年5月23日)には天然痘、国内初、大陸から北九州に侵入、聖武天皇“責在予”と勅語したことが残っているようです。

>防災情報新聞日本の災害・防災年表「感染症流行・飲食中毒・防疫・災害時医療編」

この疫病は昔から恐れられ、どうにか避けられないか考えられてきました。

最近注目を浴びているのが、日本の妖怪の「アマビエ」。

疫病退散のイメージがありますが、豊作や疫病を予言する妖怪です。
「私は海中に住むアマビエと申すものである。今年から6ヶ年のあいだ諸国は豊作になる。しかし病が流行するから、早々に私を写して人々に見せよ」と告げたとされています。

このアマビエにより、身を引き締めろと警告をしてくれてたのかもしれません。

身を引き締めれば、気をつければ、そこまで流行にはならないということでしょうか。

アマビエちゃんグッズや、茨城県では新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と社会経済活動の維持を両立するためのキャンペーンに使用されています。

いばらきあまびえちゃん

 

疫病退散としての日光山輪王寺の角大師札(つのだいしふだ)

735年天然痘、861年赤痢、947年からながく天然痘が流行していました。
当時は今のような医療がもちろん整っていませんので、現在の新型コロナウイルスのようなワクチンもなく大変な状況になっていたことが予想できます。

広がってしまったら、対処するしかありません。

そんな984年に元三大師(がんさんだいし)が鏡を前に置き、疫病退散を念じていたところその鏡に写っていた元三大師の姿が鬼のような姿に変化しました。その変化した恐ろしい姿を見たものが札に描き玄関口に貼り付けたところ、疫病が落ち着いたそうです。

実はこの様子を描かれた掛け軸が日光山輪王寺や川越大師喜多院などで見ることができます。

玄関口に貼ることで、家主が家を出入りする際、または来客時に気をつけることが多くなるような気もします。

金泥で描かれている「降魔大師」のお姿は、古来より病気回復の効力があるとされており、流行病などから救う「無病息災」のお大師様として信仰されており、この掛軸は勝海舟によって明治15年に奉納されたものだそうです。

この金泥で描かれた角大師(つのだいし)ですが、一見角にみえますが、実は大師の眉毛が長かったようで角ではなく眉毛だそうです。

角大師

予言をしてくれるアマビエと、疫病退散の角大師ともにあまりおどろおどろしくないのも気持ち的にいいですね。

疫病は何年に一回やってくるものです。

今回もみなさんで乗り越えていけることを願っています。

 

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