11/30・12/1・2 手漉き和紙絵巻『鳥獣戯画〜手漉き和紙ができるまで〜』展開催

本場奄美大島紬を知る「先染め」

染めには、おおきく「先染め」と「後染め」があります。

「先染め」でみなさんが慣れ親しんでいる生地に、デニムがあります。

また、「後染め」は着物に絵柄を描いていく友禅や、カラーTシャツがあります。

 

簡単にいうと「先染め」は糸を先に染めることで、「後染め」は生地を1枚に仕立ててから染めることです。

本場奄美大島紬は「先染め」です。

糸一本一本をドット単位で染め上げ、ドット単位で合わせて織り上げて、最終的に1枚の生地に柄が浮かび上がります。

一般的には単純な柄が多いですが、本場奄美大島紬は複雑な柄や絵柄を実現しており、
長い年月をかけて磨き上げてきたその高い技術が世界三大織物と言われる所以です。

「先染め」は、糸の芯まで染色されているため、深みのある色を出すことができ、色落ちしにくくなります。

また、表裏同じ柄が出るリバーシブルになるのも特徴的です。

ただ、糸の芯までしっかりと染め上げるためには時間がかかり、たくさんの染料を使うためコストもかかっていまいます。

 

自然の恵みから生まれる先染め「泥染め」。

本場奄美大島紬の特徴でもある自然の恵みから実現できる黒色は、何度も繰り返し染める必要があります。

この自然の恵みから実現できる黒色は、本場奄美大島紬の泥染めでしかできないといっても過言ではないかもしれません。海外から取り寄せた染料ではうまく黒色が染められず、青色の商品に切り替えているという話も耳にします。

泥染めは、奄美大島に生息するバラ科のシャリンバイに含まれているタンニン酸色素と奄美大島の泥田の中の鉄分が化学結合することで黒色に染まります。はじめは茶色っぽい色から80回以上繰り返し染め上げることで深く光沢のある黒色に染め上がります。

先染めは大量生産には向いていませんが、質の高い生地をつくりあげることができます。

 

 

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