1800年代の西洋女性がパーティーや食事会に参加するのに、身体のラインを美しく見せるのにコルセットを使用しドレスを着用していました。
コルセットは胸下部より腰にかけてのラインを補正する役割で使われ、紐で締め付けるものです。
この締め付けには他の人の手助けが必要な場合があり、かなり手間と時間がかかるものでした。
また、締め付けられていることで身体や動きに負担があったのは想像できます。
このコルセットから女性を解放したと言われているのが、モード界で革命を起こしたフランス人のポール・ポワレ氏です。
それも着物がヒントになったと言われています。
その当時、解放的なものに向かっていた西洋の方から見た着物は、ゆったりとしシンプルなカタチに見え魅了されていたそうです。
ポール・ポワレ氏は異国からヒントを得て作品を創り上げており、当時は比較的ゆったりと動きやすく来ていた着物の小袖をヒントに、
1906年、コルセットを使わないハイ・ウエストのドレスを発表。
そして1909年頃に、「キモノ・コート」と呼んだ作品を発表しています。
(京都服飾文化研究財団サイトで作品を見る)
現代の着物は凛としたイメージを創造しますが、当時の西洋人は違う視点で見えていたようです。
その後、シャネルもコルセットを使わないジャージー素材での洋服を作り上げることで広まっていきました。
コルセットが完全になくなるまでは時間を要しましたが、第一次大戦後になってコルセットは完全に消えていったそうです。
この「キモノ・コート」によりコルセットから解放したことはアパレル業界の大きな革命となりました。