11/30・12/1・2 手漉き和紙絵巻『鳥獣戯画〜手漉き和紙ができるまで〜』展開催

【町弁の企画屋法律相談所】補助金や助成金の活用時の注意点

新型コロナ禍の中、果敢に新規事業を立ち上げる事業者のお話を多く聞いています。

私のような「士業」は他の業種よりも安定している反面、ビジネスモデルがある程度固定化していて、全くの新しいビジネススキームというものはあまり多くありません。

お仕事上お付き合いしている事業者の皆様のフロンティア精神にはいつも感銘を受けています。

 

多くの事業者が立ち上げ時には運転資金の確保に苦労し、苦心しています。

この際、多くの事業者が、創業補助金などの補助金や助成金を活用しています。

 

起業する際に活用できる補助金や助成金には多くの種類があり、ウェブで検索すると数多くの制度があることが分かります。

(正直に言いますと、今回、私も調べてみてその多さに驚きました。)

 

補助金や助成金は金融機関の融資とは別ルートで資金を調達して確保する有効な手段です。

申請は自分自身でもできますし、行政書士や社会保険労務士に依頼することもできます。

 

ただし、このところ、「補助金コンサル」「助成金コンサル」などと名乗り、行政書士や社会保険労務士資格がない者が、補助金や助成金の申請を代行して高額な報酬を請求するという事例が後を絶たないので、注意してください。

 

このようなサービスは、ものによっては、不正な補助金や助成金の申請を行ったり、申請後に行政機関に対する必要な報告をしなければならないことを適切に告知しなかったりして、後になって事業者が不正受給の責任(罰金や社名公表)を問われたり、補助金や助成金の返還を命じられるたりするケースも多く発生しています。

そして、このような場合、支払った高額な報酬はもはや返ってこなく、事業者には負債だけが残されるという泣きっ面にハチの状態となってしまいます。

 

補助金や助成金は手っ取り早い資金調達方法ですが、国の機関を相手にするものですから、専門家でもない者に丸投げして放置することは大きなリスクを伴います。

表面的に口当たりの良いことを言う無資格者を信じて、入り込まれるようなことは避け、行政書士や社会保険労務士など、信頼できる専門家を吟味して、手堅く対処するようにしましょう。

 

もう一歩先の探求

補助金や助成金を不正受給するとどうなるのか、行政の対応を知っておくことは有益です。

以下に厚労省マターの不正受給の公表情報へのリンクを貼り付けておきます。

厚生労働省HP「不正受給に関する公表」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index_00020.html

東京労働局HP「不正受給による公表事案」

https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/kakushu_joseikin/_118530/_118550/2014_08_25.html

 

タイムリーな情報として、持続化給付金の不正受給で逮捕事案も散発しているようです。

国民生活センターの報道発表資料へのリンクを貼り付けておきます。

独立行政法人国民生活センター「新型コロナウイルスに便乗した悪質商法にご注意!」

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20200710_1.html

 

 

弁護士 権藤理俊(ごんどう みちとし)

早稲田大学法科大学院卒。権藤法律事務所所属。不動産・建築・卸売・小売・通信・飲食・宿泊・フランチャイズ・サービス業等、複数事業者の法律顧問を務め、新規事業の立ち上げにかかるリスク評価や契約書作成業務に日常的に携わる。

 

権藤法律事務所
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