クラウドファンディング市場は、矢野経済研究所によると2022年には1,909億円が見込まれ、この5年間で一番の市場規模となっています。
また、クラウドファンディングの認知度も広がり、2022年LINEリサーチの調べによると認知度は86%、実際に利用した経験がある者は12%となっています。とくに年齢層では、30〜50代が利用経験が17%とやや高い傾向があります。
朝日新聞関連のクラウドファンディングサービスA-portは、バージョンアップしてA-port+が立ち上がるなど、クラウドファンディングサービスを提供している企業も多様な要望に応えられるよう対応してきています。
クラウドファンディングを使ってプロジェクト立ち上げや商品販売などに使われる方は増えていますが、実際に目標を達成するプロジェクトは、30%と言われており、決して高い数値ではなく目標達成するのは簡単なことでは有りません。
利用経験12%のなかで、どこのクラウドファンディングサービスを選ぶか?
成功の鍵は、何よりもターゲットがいるか。
クラウドファンディングを開始する前に、ある程度ファンを捕まえておくことは、スタートダッシュが大事なクラウドファンディングにあたっては重要なポイントになります。
スタートしたあとに、興味を持ってもらえるターゲットがそのサービスにいるか、また、クラウドファンディング使用者は12%の状況で、はじめてクラウドファンディングしてもらうのに、信用があるサービスか、手軽かというハードルがあります。
まずは主要なクラウドファンディングサービスを比較検討し、作戦を立てるのが第一歩です。
以前にクラウドファンディングをはじめるための企画書・提案書の書き方を記事で書いてますので、ご参照ください。
<クラウドファンディングを行うための企画書・提案書の書き方>
目標達成率30%のなかで、重要なのはストーリー。
クラウドファンディングサービスを選ぶことで、ターゲットが絞られます。
次に、そのターゲットにどう伝えるかが大事になってきます。
今回は、クラウドファンディングで言うプロジェクト紹介画面で、どのような内容を伝えていくかを考えるための企画書、提案書をご紹介いたします。
企画屋かざあなでは、手すき和紙の原料であるトロロアオイの生産プロジェクトについて、3年連続でクラウドファンディングをしており、いずれも目標の84万円を達成することができました。
人に伝えるというのは、難しいものです。
よく会話で聞くと、とても魅力的なのに読み上げると伝わらないということが多く見受けられます。
また、その時は興味を引いていただけたのに、支援や参加には繋がらないことも多いです。
人は忘れやすいのです。
忘れやすく、行動に移すのに労力がかかるということを前提に、考えなければなりません。
そんななかでどう印象づけるか、記憶に残すか、そして行動に移してもらえるようにするには、端的な情報発信ではなく、記憶に残すストーリーで伝える必要があります。
ストーリーのなかに盛り込まなければならないポイントは、「動機」「何者」「信念」「希少性・重要性」「実現したい未来・ミッション」「プロジェクト内容」「資金計画」「リターン」「スケジュール」になります。
「動機」は、どういう衝動で思い切って始めようと思ったのか、パワーを感じられることが大事になってきます。
最初の書き出しにパワーがないと、誰も惹きつけられませんし実現感が感じられません。
なんとなく、他人にクラウドファンディングが良いよと言われて立ち上げましたというのが見えてしまうと、そこで閲覧者は別のプロジェクトに行ってしまうでしょう。
「動機」のパワーが「信念(使命)」につながり、「実現したい未来」への熱い想いに人は魅了され、応援したくなります。
次に重要なのは「希少性・重要性」。
いくらパワーがあっても、それ他の人がやっているよねと言われたら価値がありません。
なぜ今必要なのか、他にはない取り組みであり、何者といったあなたらしい取り組みである必要があります。
地ビールを作りますというプロジェクトといった取り組みを同じようなものを多く見かけますが、その地域内でははじめての取り組みといった希少性や、地域に根ざした動機や実現したい未来があることで重要性が高まり、飲んでみたい、応援したいという心が生まれます。
そして最後に重要なのが、「信用」。
本当に最後までやりきってくれるのか、本当にリターンが来るのかといった不安を払拭する必要があります。
これは、資金計画やスケジュール、そして支援してくれた方への正当なリターンになっているかが問われます。
テクニックで、目標金額を10万円にして開始し、はやいうちに目標を達成することで画面上に多く表示されるようなことを狙って目標金額を設定する方法もありますが、閲覧者からすると、本当にしっかり考えられているプロジェクトなのか心配になります。資金計画をしっかり見せるとともに、スケジュールもできるかぎり細かく見せることで、信用を勝ち取ることができます。
このような内容を整理するうえで、1枚の企画書、提案書にまとめました。
事例は、企画屋かざあなで3度のクラウドファンディングにおいて目標達成している事例になります。
情報の構成は、以下のイメージになります。
企画書の構成は、クラウドファンディング紹介画面をイメージした順序立てで右列、中央列、左列というながれの構成になっています。
プロジェクトをよりストーリー的にどう魅了していくかで目標達成できるか決まってきます。
67%の人が視覚情報で納得する。
クラウドファンディングのページ滞在時間は長くても、2分半〜3分程度と考えられます。
その3分以内に伝えるには、詳細な情報を伝えることは大事ですが、限られた時間の中で伝えなければならないことを考えると、各ポイントの見出しを読むだけで伝わらなければなりません。
いきなりプロジェクトの紹介画面を作るのではなく、一度上記のような1枚の書類でまとめると頭の中を整理することができます。
また、できあがったら読み上げてみると、書いた言葉に不足がないか確認することができます。
文章力がなかったとしても、会話的な文章になっても気持ちが伝わることがプロジェクトのパワーにつながります。
ぜひ、読み上げて、言いたいことが書かれているか確認してみてください。
20分後には42%忘れてしまう。
エビングハウスの忘却曲線にあるように、人は20分後には42%のことを忘れてしまう実験結果がでています。
どこを記憶しておいてほしいかが重要になってきます。
単独の情報より、情報と情報を連結するストーリーの方が記憶に残りますが、その他に方法があります。
それは、繰り返し使うことです。
同じ言葉が反復して何回も使われると記憶に残る確率があがります。
プロジェクトのテーマになっているフレーズや決め台詞は繰り返し使うようにしてみましょう。
本企画書は企画書を作るにあたってのフォーマットとして使うことも、ビジネスモデルとして参考にすることもできます。
本企画は、目標達成したプロジェクトであり、『繰り返し使う言葉の参考』『信頼につながる資金計画とリターン設定』が盛り込まれています。
ぜひクラウドファンディングを実施する際に、自身の内容確認として、他の方を巻き込むためにもって歩く企画書を作成するのにご活用ください。
クラウドファンディングに関してのプロジェクト画面の作成等ご相談受けております。お気軽にお問い合わせください。