長野県小諸市に、宮大工でありながら生粋の稀有な才能と高度な技術をもったアーティストがいます。
その名を、政所新二さん。
1997年に木彫フォークアートおおや 伊藤文化財団賞をきっかけに、
1999年に「6牙の獏」で井波彫刻理事長賞を、「LIVEPIANO」でモダンアート展新人賞を受賞したことにより
その名を世に知らしめました。
そして、2003年には「風の図鑑」で全国木彫刻コンクール井波で最優秀賞を受賞しています。
その後30年に渡り作品を世に出し続け、数々の賞を受賞しています。
作品は、宮大工の技術から襖の上にある欄間を作った作品でも、信州の峰々を感じさせ山に群生する木々の動きまでを表現した彫り跡は繊細な技術がなせる技であり、見るものの心を惹きつけます。
また、指を動物やモノに見立てた作品シリーズは、ユーモアにあふれ心が和らぎ、見る人に笑顔で対話することを促しているかのような世界観があります。
政所新二さんは、建築工房「政所工務店」にて宮大工として仕事をしながら、この高度な技術を独学で身につけたそうです。作品を作り始めてから現在では30年が経ちますが、精力的に作品づくりを進めています。
政所さんの活動は、木造住宅を建築することが合理化されることで大工の技術低下と職人が減少しているなかで、大工技術を突き詰めることで見えてくる、広がる世界があることを啓示してくれているのではないでしょうか。
現在、小諸市にある市立小諸高原美術館にて、「政所新二木彫展」が開催され32点の作品を見ることができます。
ご来場については、告知サイトを確認してください。
展示会サイト:告知ページ