新型コロナウイルスの影響により多くの国が空港に規制を入れ、ほぼ鎖国状態と言ってもおかしくないほど、国をまたいだ人の行き来がなくなりました。
これにより海外からの観光客はほぼいない状態です。
多くの訪日外国人旅行客が楽しんでいた浅草、家電用品店でも姿は今ではその姿は見当たりません。
都内のインバウンド向けのホテルは休業しているところも多く、古くから守られてきた旅館も倒産するようなニュースが入ってきています。
現在海外に行こうとすると各国さまざまな規制があります。
国外から日本に来た場合、日本に入るのに14日間待機してやっと観光ができたと思えば、帰国時にも自国で数日間の待機や対応をとらなければなら3日間の旅行が1ヶ月以上の期間を要することになってしまいます。こんななかで無理にでも観光をする海外の方は少ないでしょう。
インバウンドで、どれだけ恩恵を受けていたの?
さて、日本ではインバウンドで儲かるような雰囲気がありましたが、数字にすると意外なことに気づかされます。
日本国内の観光業の市場規模を見るのに、旅行消費額というものを参考にします。
2019年の日本人による国内観光消費額は約21.9兆円でした。
そのうち宿泊業は17.1兆円、日帰り旅行は4.8兆円になります。どちらも前年より伸びていました。
では、インバウンドと言われている訪日外国人旅行客の国内観光消費額はいくらになると思いますか?
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実は、約4.8兆円になります。
意外にもっといっていると思われた方が多かったのではないでしょうか。
もちろん前年比から伸びています。
結局、日本国内の観光業の総市場規模は、国内の日本人と訪日外国人を足した26.7兆円になります。
その約18%がインバウンド需要だったのです。
割合で示すとより少なく感じるのではないでしょうか。
出典:官公庁(https://www.jata-net.or.jp/data/stats/2018/pdf/2018_sujryoko.pdf)
出典:日本商工会議所(https://www.jcci.or.jp/news/trend-box/2020/0303133108.html)
国内観光者に立ち返る
この数年はインバウンド需要は消滅すると考えていいと思います。
来年にはオリンピックが予定されていますが、それまでに各国を行き来できるようになるというのは、なかなか想像できません。
そんななか観光業はどうしたら良いのでしょうか。
2019年のデータでは日本人による国内観光消費額は増加していました。
日本人国内延べ旅行者数は前年比4.4%増、そのうち宿泊旅行が前年比7.0%増、前年比1.7%増という結果です。
また、日本人国内旅行の1人1回当たり旅行単価は3万7349円/人(前年比2.4%増)、宿泊の有無で見ると、宿泊旅行が5万5069円/人(前年比1.4%増)、日帰り旅行が1万7301円/人(前年比0.1%増)となっています。
これからは国内旅行者をターゲットとした展開に戻していくことが求められてきます。
地産地消で地元をターゲットに
ただし、まだ観光目的では県を超えての移動を控えるように言われています。
こういう時こそ、地産地消の精神で、地域の方が外出自粛で疲れているところを別世界に行くような感覚で宿泊に、特別メニューとして食事を各お部屋で家族で楽しめる日帰りや、またはテレワークに宿泊施設を貸し出すなど足元を見たサービス構築が大事です。この県外の移動規制が解除されたときには、徐々に遠方からのお客様を取り入れていく柔軟な体制づくりとサービスが必要になってきます。
若い世代の視点や考え方に注目
また、今までは訪日外国人旅行客への視点でお土産やサービスを考えていた事業者も多かったかと思いますが、この数年は訪日外国人旅行客需要は見込めません。
そこでポイントになるのは、国内でも旅行客として割合の多い年配の方ではなく、若い世代の視点を取り入れることです。若い世代は伝統工芸や文化、地域の歴史に対してまだまだ知らないことが多く、柔軟な視点や考え方をもっています。お客として若い世代を取り込もうとするのもいいですし、事業を手伝ってもらい若い世代の視点を取り入れていくのも良いのではないでしょうか。
コミュニケーションがお土産?
外出自粛により、誰もが安心して外出して楽しみたい気持ちです。
安心して訪問できるような取り組みは大前提ですが、人と人が接する楽しみも恋しくなっているはずです。
人と人の接する人恋しさもありますが、誰もが知らないディープな話や体験ができるというのも、コミュニケーションの醍醐味です。
ICT(IT)、IOT化で継続的関係構築
現在、テレワークをしたことがある方で引越しを検討している考えている方は半数以上にのぼります。
この観光により移住を検討する方もいると思います。とくにテレワークをしている方はICT(IT)やIOTに強い方が多いようです。
どうしても観光業は、先代から受け継がれてきたなど古い体質の店舗や事業者が多くICT(IT)やIOT化が遅れています。
観光に来られた方をリピーターにする、もしくはネット通販で買ってもらえるといった一回きりの関係ではなく継続的な関係を築くことができます。補助金でもIT導入補助金がありますので、ぜひ自身で勉強するか、若い世代に頼むか、移住者を巻き込むかしてみてはいかがでしょうか。一度関係をもった方と継続的につながれるブログやツイッターやFacebook、LINE、インスタグラムなどのSNSはどうしても他人に任せてしまうとそのお店の、自身の”味”がでないことが多いです。親身な専門業者に頼んで現業に力を入れるのもいいですが、少しでも自身で発信するよう試してみてください。等身大の配信が”味”になったりします。
最近のインバウンドの傾向では、当初のような派手な消費をせず、本物志向でそしてディープなところに行く傾向になっていました。日本人観光客もその傾向で、そこでしか味わえない体験を求めています。
国内観光者に対して、いや観光まで行かず行楽者という位置づけまでにターゲティングしてサービスを考えて展開してみてはいかがでしょうか。
それがきっと、外国人旅行客が日本に来やすくなったときに武器になるはずです。
このWithコロナという予測不能な世界で生き抜くには企画力が求められます。
その企画力とは、「寄り添うコミュニケーション力」「大胆かつ柔軟な発想力」「追求する粘り抜く力」「スピーディーに行動する機動力」になります。
企画屋かざあなは、みんなで企画を考え実行に移す場です。
とても明るく、楽しんでやっています。
企画に興味がある、企画を学んでみたい、企画が実行までうつる現場に立ち会ってみたいという方は
伝統工芸の魅力創生オンラインサロンでお待ちしております。
感性を育む伝統工芸の商品企画の現場にいることで、企画の醍醐味を味わえるかと思います。