アパレルでも車でも、家電品でもその商品やブランドがもつ世界観を大事にしている。
ヒット商品となったバーミキュラ―のトースター。
美味しいトースターが焼けるということで注目され、大ヒット商品となった。
一見、その機能性で売れたように見えますが、価格は2万円を超える今までのトースターでは考えられない価格帯でした。それもレンジというダイヤルをひねればいくらでもメニューやカスタマイズが出てくるようなものがあるにも関わらず、選べるメニューは、トースト、チーズトースト、フランスパン、クロワッサンなど7つのみ。あとは時間でコントロール。
最高のトーストを提供したいという想いから使い方を絞りぬき究極を目指して作られました。
感化させる商品
最高のトーストを届けることは、味や食感といった食べるときだけではなく、キッチンに置いてあるだけで心がウキウキするようなカフェに来たような佇まい。
そして、作るときにもダイヤルや明ける扉の触り心地、そして出来上がったときの音の心地よさ。
「設置時」「制作時」「食事時」における工程ひとつひとつに心情を変えさせる「感化」させ感情を高め、最終的な食べたあとにも満足感を与えている。この最高の味までの世界観をバーミキュラ―のトースターはもっている。
この世界観があるからこそ、大ヒットにつながっているのである。
ただの機能性だけでは、ほか競合にすぐに真似られて存在は消えてしまうでしょう。
この世界観があるからこそ、消費者の口コミといった「推し」につながり売れていきます。
あなたは何推し?
アイドルグループのなかでもある特定の誰かを応援するのを「一推し」と言います。
その他にも「激推し」「推し増し」「推し被り」など色々派生してきているようですが、この「推し」が消費者の傾向キーワードになっています。
この推される方は、芸能人だけではなく、Youtuberや講師、その道を突き進んでいる専門的な人だけではなく、商品などモノにまで多岐にわたって使われるようになりました。
この推される人やモノには必ず世界観をもち、なんのためにやっているかの目的意識がはっきりしています。
情報過多のなか、自身を感情的に論理的に引っ張ってくれる方を求めています。
世界観とは、さきのトースターにあるような極上の味わいといった目的をはっきりもったうえで、それまでの工程を楽しめるようなものになっています。
もちろん、伝統工芸品においても農業においても、住宅においても、同じことがいえます。それでなければ買われない時代です。
これから商品を作る際には、このポイントを欠かさずに企画したいところです。