発想を大事にする和紙ノート制作プロジェクトは、水上製本所(所在:埼玉県川越市、運営:株式会社ジーブック)さんと共に企画制作してきました。2019年末よりパリの店舗COOL JAPANにおいて試験販売をし、購入者アンケート調査から使用感触やデザイン性に評価を得られ、2020年2月20日よりパリで正式に販売を開始いたしました。
書いた字が浮いてきれいに見える市松罫の和紙ノート
表紙・裏表紙は埼玉県比企郡小川町で手漉きされた和紙で、乾燥の際に板を使うことで木目が残った畳紙(タトウ紙)を採用しソフトな風合いに仕上げました。和紙ノートの役割としている感性に響くナチュラル感を大切にしています。
和紙は保存性が高く、感性を刺激するような書き心地を与え、今回本文に使用している鳥取県の和紙は、とくに万年筆と相性がよいです。見開きにした状態でも段差ができない水上製本所の製本方法(特許出願中)で作られています。
和紙ノート「UKIE」は、和紙に市松模様を透かしたカタチで入れた市松罫(商標登録申請中)の目盛りで、書いた字や絵が浮き上がるようにきれいに見えます。市松罫は書いた字や絵を邪魔しない目盛りで、思いついたアイディアや企画を感性的に使えるようにという想いから制作しました。市松模様=チェック模様はヨーロッパでも、モノやデザインを正確に確認するためにモノの下に置くチェッカーボードに使われています。
感性に響くナチュラル感のある表紙は、手漉き・板干しの畳紙。
表紙・裏表紙は埼玉県比企郡小川町で手漉きされた和紙で、乾燥の際に今では珍しい板干しを行うことで木目が残った畳紙(タトウ紙)を採用しソフトな風合いに仕上げました。畳紙は着物を包んで保管するのに使用されています。和紙の特性のほか、木目は滑り止めにもなるようです。
〜プロジェクトがはじまった経緯〜
日々の思いついた”発想”や、他の人からえた情報での”気づき”を大切にしてほしい。
企画を年間平均30本以上考え実行していくなかで、日々の気づきや発想を大切にノートに記してきました。
さまざまなノートを使ってきましたが、最終的に目盛りについては書きやすさと書いた字が目盛りに埋もれないように自身で作成し、独自のノートを使ってきました。
そして、描きごたえのある紙を求めた結果、和紙を使った和紙ノートにいきつきました。
その和紙を使った和紙ノートを制作していたのは、川越にある水上製本所です。
和紙には洋紙では得られない風合いや手触り、書き応えと高い保存性があります。
今ではお寺や神社を廻るご朱印帳などで身近に感じている方もいらっしゃると思いますが
実は使われている紙のほとんどが和紙ではないそうです。
お寺の御札も和紙が使われなくなっており、和紙の生産数は減少しているそうです。
和紙は手触りなどの感触があり、「書いている感」が手から脳に伝わってきます。
その感覚は、モノゴトをやっている感、考えが進んでいる感、成長感といった高揚や満足感を与えると思っています。
また、書き留めたノートは自伝であり、振り返ることもできる和紙の保存性は大切にしたいと考えました。
今回のプロジェクトは、企画制作にとどまらず、パリを一歩に世界へ和紙を伝えていきたいと考えております。進捗状況はご報告させていただきます。
今後の進展をお楽しみにしてください。
水上製本所
水上製本所は小江戸川越の観光ゾーンにある、懐しい雰囲気漂う古民家店舗です。 店内では和紙を利用した実用的な小物と、昔ながらの製本技術を活用した、オリジナル商品を制作しています。
埼玉県川越市新富町1-4-4(クレアモール沿い・川越市産業観光館 小江戸蔵里 向い)
https://www.g-book.co.jp