2025年11月24日『手漉き和紙絵巻「鳥獣戯画〜手漉き和紙ができるまで」展 in 小諸』閉幕
日本の手漉き和紙技術がユネスコ無形文化遺産登録から10周年を記念して制作された『手漉き和紙絵巻『鳥獣戯画〜手漉き和紙ができるまで〜』が、2025年11月22日から24日の3日間開催いたしました。
今回の展示会会場は、本絵巻に使用されているユネスコ無形文化遺産に登録されている細川紙の産地である「埼玉県比企郡小川町」。
昨年の京都での展示会開催後、本絵巻は高山寺に奉納する予定でしたが、高山寺より多くの方に見ていただき、手漉き和紙の素晴らしさを知っていただいてはというお話しから、春には長野県小諸市で展示会をスタートとし、ユネスコ無形文化遺産登録の11月を手漉き和紙を盛り上げている期間として様々なイベントが開催される和紙フェスの1プログラムとして開催されました。
和紙のふるさと小川町を巡る展示会
開催当日は天気に恵まれ、また紅葉の風景を楽しめる散策日和となりました。
今回の展示会は、ただ絵巻を見るのではなく手すき和紙の産地として文化や歴史を感じることができる、手漉き和紙鳥獣戯画のスタンプを押しながらまち歩きを楽しめるカタチで展開しました。
小川町は紙を始めとする産業で埼玉でも指折りの商都と呼ばれるほど栄えた町でした。
地元で銀行が2つもできるほどで、今でも蔵をもつ数多くのお宅を見ることができます。
また、スタンプスポットは、駅前に始まり、職人が学ぶ工房、そのままのカタチを残した町家、展示会場、最後に有機野菜専門店と小川町を感じることができるスポットを巡っていただき、オリジナルの手漉き鳥獣戯画はがきを作っていただきました。


京都市役所協力「京都の伝統工芸」を町家で開催
伝統工芸が残され、京都に似た景色を持つといった条件にあった小川町は、武蔵の小京都とも呼ばれることもあり、今回特別に京都市役所が協力に入り、スタンプスポットの一つ町家で京都工芸展を開催しました。
京都市の工芸品は74品ありますが、そのうちの4品となる「京コマ」「かるた」「和蝋燭」「水引」が展示販売されました。また、今回制作した手漉き鳥獣戯画の巻物の表具を担当した藤田月霞堂 藤田 竜也さんの制作秘話の映像放映や、日本いけばな芸術協会名誉特別会員(池坊)田村氏制作の巻物の展示も行われました。



産地ならではの手漉き鳥獣戯画展
3日間の来場者は343名にのぼり、東武線沿線、小川町内の居住者や職人さんが多かっったものの、なかには都心をはじめ東北や関西からも来場者がおり、また年代も小学生から年輩の方まで幅広い方々が来場し、鳥獣戯画のファン層の広さに驚かされました。
本展示会は、手漉き鳥獣戯画をきっかけに手漉き和紙の良さ、生産不足となっているトロロアオイの現状を知っていただく機会として開催しています。
展示会場では、実際にトロロアオイを育てていたり、手漉きをしている職人が参加しているわしのねりプロジェクトのメンバーが説明していることで、より和紙愛が伝わった展示会になったのではないかと思います。
お手伝いいただいたメンバーの皆さま、ありがとうございました。


わしのねりメンバーが考案したトロロアオイ新商品発表の場に
生産不足となっているトロロアオイは昔は食品にも使われていましたが、震災により食品化が一度途絶えたことで買取価格が減少し、育てる方が減っているのが現状です。展示会場では、わしのねりメンバーが考案したとろ饅頭とトロロアオイアイスを提供させていただいたところ、饅頭はしっとりもっちりして美味しいと評判が高く連日完売。
トロロアオイアイスにおいては、かき混ぜているととろみが出てきて味わったことがない食感で美味しいと評価をいただきました。今後、展示会だけではなく安定して販売ができるようまた改良を重ねていきたいと考えていますので、次回また楽しみにしていてください。


今回の展示会は産地ということもあり、手すき和紙の魅力を実感いただけたのではないかと手応えを感じています。
また、食というコーナーも増え、より身近に感じていただけたのではないでしょうか。
すでにわしのねりメンバーでは次の展開の妄想がはじまっています。
妄想を大切に次の展開へ進んでまいりますので、引き続き楽しみにしていてください。

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