日本最古の漫画とも言われる鳥獣戯画。
中でも甲巻に登場する蛙や兎が相撲をとったり、追いかけっこをしたりする姿はとても愛らしく見えます。
この鳥獣戯画は作者がわからず、謎に包まれた絵巻ですが、今回の日本の手漉き和紙技術がユネスコ登録されて10周年を記念して制作した「鳥獣戯画〜手漉き和紙ができるまで〜」の絵巻で描いた手漉き和紙鳥獣戯画が絵巻の中から飛び出し立体模型として誕生しました。
職人が何十年という歳月を重ねて身につけた技術を、動物たちでわかりやすく平面である絵巻で表現していますが、それを立体にするとどのような表情が生まれるのかという好奇心から制作しました。
手漉き鳥獣戯画は、蛙と兎、猫で構成されています。
それぞれ、もともと鳥獣戯画に描かれているポーズからとったものになりますが、通常職人さんたちはこのような姿勢では漉きません。紙を漉くことは腰や腕にも負担がかかりかなりの重労働になります。あた繊細な技術が必要となります。そんな作業をしている姿に、遊び心のエッセンスを加えることで愛らしく誇張したポーズになりました。
今回の制作はパソコン上で3Dモデリングし、3Dプリンタで出力しています。
立体にすると、動物たちを立たせたり簀桁と吊るす竹のバランスが難しく、お腹や手のラインなど立体制作することで、漉く姿勢の大変さに気づかされました。
11月30日から開催の手漉き和紙絵巻「鳥獣戯画〜手漉き和紙ができるまで〜」展で公開予定です。
平面と立体で、鳥獣戯画を通して職人さんの技術を感じていただけたら幸いです。
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