縄文時代から使われてきた「柿渋」
柿渋は、日本の伝統的な天然塗料・染料になります。
柿渋には防腐作用があることから、古くは平安時代に漆器の下塗りに使われたり、即身仏(ミイラ)に塗布されていたりしていました。
また、防水性も高く和傘に塗られたりしています。
柿渋は多くの作用があり、人々の暮らしを支えてきました。
体に、地球にやさしい天然素材
コロナ禍で気になる抗菌作用も
古くから使われてきたには、多くの効能があることもですが、高血圧の薬として服用したり、火傷やしもやけを治す為に皮膚に塗ったりされることもあったそうです。
このコロナ禍により健康志向が高まっているなかで、天然の抗菌作用をもつことは、柿渋が塗られているものであれば安心ですし、体にもやさしい素材と言えるでしょう。
1.抗菌作用
広島大学大学院医歯薬保健学研究科坂口教授により、柿渋タンニンが種々のウイルス成分を不活性することを検証されています。
<広島大学大学院医歯薬保健学研究科レポート>
2.防腐作用
カキタンニンに認められる効果で、古くは法隆寺や薬師寺の建材に防腐剤として使われています。外装では木材腐食菌の増殖を防ぎ、屋内で健康を害する大腸菌・白癬菌(水虫)・ブドウ球菌の増殖も防ぎます。
3.防水効果
和傘や番傘にも使われ、塗り重ねる事によって一種のタンニンの皮膜のようなものを形成し、縮合重合する性質がありタンニンの皮膜はどんどん丈夫になります。撥水性はありません。
4.消臭効果
最近ではボディーソープやシャンプーなどで知られてきていますが、中高年男性の「加齢臭」をはじめ、様々な悪臭に対して柿タンニンはそれらの臭いの成分の分子を吸着することで臭いを消してしまいます。
5.耐久性
柿渋を塗ることで表面が固くなります。
柿渋は塗料であるので、家具や道具など身の回りのものに塗ることで様々な効能を得ることができます。
天然素材で自然に、体にやさしい
使うごとに風合いが変化する経年変化を楽しむ
柿渋が醸し出す独特の褐色、いわゆる渋色と呼ばれる古代色にあります。
時間の経過とともに空気に触れ光にあたるほど、濃い茶色に発色していきます。
それは一見、牛革のような風合いを感じさせます。
濃い茶色は、原料の柿の出来具合いや管理方法、天気や季節でも変わってきます。
使用していくごとに擦れ具合や日のあたり具合により色味が変わるのも、柿渋ならではなお愛着がわいてきます。
柿渋は、各製造会社により天然物でないものもありますので、よく成分を確認してお買い求めください。