日本の和紙の最大の特徴である薄くて強い紙にできるのは原料の”ねり(トロロアオイ)“が不可欠。この”ねり”が生産不足になっており、数年後には作れなくなるところまで。農家さん、職人さんと繋がり、”ねり“をみんなで育てる参加型の「わしのねり」プロジェクト第3ステージ。和紙商品・食品を!世界へ!次世代へ!
2023年の「わしのねり」プロジェクトでは、メンバー拡大とともに出荷率をあげて納品量の向上を図ります。また、もともと漢方や食料品としても使われたり、健康にも効用があるとされるトロロアオイを、和紙で使う根以外の茎や葉を活用した健康関連の商品化を図っていき、農家さんからの買取価格をあげる仕組みづくりを考えています。これにより、今までボランティアのような状態で育てていた農家さんが、本業として育てられるようにしていきます。
2023年3月7日(火)より、一緒に「ねり(トロロアオイ)」を育ててくれる方をクラウドファンディングにて募集を開始いたしました。
<「わしのねり」クラウドファンディングページ>
https://camp-fire.jp/projects/view/655439?utm_campaign=cp_po_share_mypage_projects_show
<開始日時>
3月7日(火) 10:00~
2023年の4つのミッション!
2022年は、わしのねりメンバーで34名の方が最後まで根を育てることができ、トータル約50kgを出荷することができました。A・Bランクを多く出荷できるようになりましたが、出荷量はわずかに増加という結果でした。
トロロアオイは連作が難しい植物です。昨年できたとしても今年は病気になりやすいということもあり、最後まで根を育てきれるように安定生育に向けてメンバーで情報共有し、マニュアルをバージョンアップしていきます。
トロロアオイの根は和紙の原料に使われていますが、古くから漢方に使用されたり、東日本大震災以前には、かまぼこや蕎麦のつなぎにも使われていた食品です。花は一日花のため、一般にはあまり流通しませんが、高級料亭で出されるようなこともあります。
現在では、トロロアオイは根だけが使われ、根のみの買取価格であることから、生産コストがまったく見合わず農家さんはボランティア状態になってしまっています。以前のように根以外の葉や茎を活用※することで、農家さんの買取価格をあげてトロロアオイ農業の支援につなげることを考えています。
※過去にどのように食品に使われていたか、震災により廃業してしまったため、わからない状況で色々な方に話を聞いたりと模索しています。
2022年の取り組みで乾燥・粉末化まで進めることができ、和ビーガン料理人本道佳子先生に見ていただき、食材としての可能性を引き出していただきました。
今回のプロジェクトでは、よりトロロアオイのトロトロ成分がより活き、効率化できる精製方法を試すほか、商品化し流通に乗せたいと考えています。
昨年は、日本橋高島屋S.C.でラッピングサービスをしている「つつみ屋工房」さんに包装紙として、私たちが作ったトロロアオイで漉いていただいた細川紙を提供することができました。メンバーの中にはさまざまなアーティスト活動をしている方もいます。継続的に一般生活で使っていただけるよう、小川町の職人さんとともに、企業に商品提供をします。
また、和紙の活用では、長野県にある小諸市にて寺社と連携し、寺社でトロロアオイを育てていただき、そのトロロアオイで御朱印や御札をつくる取り組みもはじめていきます。
また全国の和紙をセレクトし、実際に触れることができる見本誌のような冊子の制作を考えています。
トロロアオイは生物のため、長期保存ができず化学のりを使用してしまうケースがあります。普通の乾燥や冷蔵では、手漉きをするには粘り気が落ちてしまいます。
そこで、長野県小諸市にある氷風穴保存会の皆様のご協力で、長期保存できるか実験を開始しています。
氷風穴は、年間平均室温5度と低温のうえ、湿度が100%近くであるにも関わらず、風通しが良いことからりんごなども秋から春まで保存できるような風穴です。乾燥を防ぎ、凍らせず低温で長く保たせることができれば、春先もしかしたら秋口までトロロアオイで手漉きができるようになります。
この保存方法を検証するとともに、化学のりによる弊害についても検証していきたいと考えています。
参加申込は、2023年5月上旬までとなっております。
参加申込みの方お待ちしております。
<参加申込ページ(campfireクラウドファンディング)>
https://camp-fire.jp/projects/view/655439?utm_campaign=cp_po_share_mypage_projects_show
※2023年3月7日10時頃より、リンク先のサイトが見れるようになります。
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