2021年、新型コロナウイルスの動向もありますが、消費行動はどうなっていくのでしょうか。
2020年は外出自粛、GOTO、3密対応と自治体や政府からの対応に追われるとともに、今まで抱えていたお客様の消費行動がガラッと変わってしまったことに戸惑いがあったのではないでしょうか。
外出自粛からいらないものを片付け、リサイクルに出す行動や、家の中で楽しむイエナカ需要なんていう言葉も生まれ、出前や家具、テレワークに関わる商品が売れました。
消費者による消費行動への合理化がはじまり、無駄なものには一切お金をかけず納得できるものにお金を出し、自分自身で出来るものは自身でやるというライフスタイルの創造が始まっています。
このながれは間違いなく、この2021年に明確に現れてくる年になります。
一歩先の未来を素早く企画実行できるかが鍵。
2020年は新型コロナウイルスにより、市場は大きく二極化してしまいました。
この二極化により低迷した企業は、新型コロナウイルス以前から隠していたもしくは先送りにしていた問題が顕在化したことで苦しい立場になってしまったところが殆どです。
業態では、飲食やアパレル、旅行やレジャー、広告やスポーツ、エンタメが厳しい立場にある一方、情報関連、イエナカ関連は優位な立場に立った状況です。
しかし、業界的には厳しいとされた業界でも過去最高益を出している企業が存在します。
厳しい業界でも売り上げられている企業は何をしていたのでしょうか。
また、消費者はどのような志向になっていたのでしょうか。
企業、店舗も先行きの見えない状況になり不安になりますが、お客様自身も不安です。
そんな時に、お客様にいち早くメッセージを送るとともに、このご時世にあった企画にチャレンジしたところが売上を確保しています。
例えば、住宅関連で言えば6月の時点でテレワーク仕様の商品を企画し、即座にニュースに取り上げられました。
また、高級レストランにも関わらず、外出自粛が始まる春先から家でも楽しんでもらえるようにとお持ち帰り用のメニューを企画し販売するところは、売上が何倍にもなった結果が出ています。
自社のなかで一歩先の未来を描き、企画を考えて実行できたかで差が出ました。
消費者の合理化元年2021年。
では、消費者はどのような思考になっているのでしょうか。
外出自粛やテレワークの浸透により時間節約を重んじる時短需要一辺倒になるのではなく、仕事時間より自分時間の充実を求めるようになっています。
趣味や家族との時間を楽しむものの購入に移り変わるのかというとそんな単純なものではありません。
時間があることで情報収集する時間があり、プロ並に情報をもつことになります。
そして消費者自身が生産者の縛りも受けずに自身でつくりあげる世界観を楽しむようになります。
その前兆として、お菓子を作る材料や家庭菜園の道具が売れたのがその現れになります。
とくにZ世代(1996-2012年生まれ世代)は現社会の課題に向き合う姿勢が強いこともあり、大量生産消費社会にはそもそも疑問をもっており、自分自身の独自のスタイルを求め、その思考はより強いものとなっていきます。
2021年、消費者は自分時間のため、世の中のためになっているかという合理的な考えが顕在化し加速していきます。
2021年の3つのマーケティングキーワード
消費者の合理化が顕在化する2021年においてどうしたらいいのでしょうか。
大前提として、もう元の世界には戻らないということです。
またGOTOでとかワクチンが浸透すればという外部要因に期待するようであれば前には進めません。
購入に対する合理化された判断で自分時間を重視する思考のなかでは、無駄なものは排除されます。
その現れとして、都心部では多くの人が外出しているような街を歩いている姿がテレビに映し出されていますが、お店には一切人が入っていません。
ウィンドウショッピングでさえしなくなっています。
この新しい消費者の思考や行動に対応するとき、自社のらしさをもち消費者の動向を観察し、企画を瞬時に実行に移れるかが重要になります。
とくにZ世代は完璧を求めません。企業も人格を持った存在ととらえ、チャレンジする企業を後押ししてくれるはずです。
新型コロナウイルスに翻弄した2020年から消費者の心理はこの嫌な雰囲気を吹き飛ばしてくれる明るいコト、情報過多によるシンプルなこと、未来を感じれる新しいコトを求めることでしょう。
この消費者の心理から企画を立てるにあたって、ヒントとなるキーワードが3点あります。
1.ウキウキが欲しい「エンタメ化」
エンタメ業界が表現に拘束されており、色々な行動に縛られているなかで自分時間に笑顔を与えてくれるもの、自ら組み立てる参加型のもの。
2.コミィニケーションの「シンプル化・深化」
ZOOM慣れによる情報伝達のシンプルかつ明確に伝えること。また、家族時間、離れてしまった友達との時間、趣味があう仲間との同業作業や共働、プロの上を行くプロの領域の情報提供。
3.ライフスタイルを超える「文化・信仰」
持続可能な目標とするSDGSなど、ライフスタイルを超えた背景や存在意義が問われた宣言や行動、そして文化を体験できる機会。
これからは間違いなく消費縮小市場です。生き残りをかけた競争がはじまっています。
自身の顧客をよく見て一歩先を行く企画を実践してください。
ピンと来なかったら、お客の反応が悪いと感じたらすぐに次にチャレンジしてみてください。
コミュニケーションを絶やさないことが、消費者との関係が応援してくれる仲になるはずです。